オフサイド

ベッドから起き上がった裕也は、冷蔵庫に手を伸ばそうとするけど、あと少しのところで届かない。



「何か、飲みたいものあったら、勝手に冷蔵庫開けて飲んでいいから」 



「うん、ありがとう」 



「悪いけど、先に食事させてもらうな。食器を取りに来るのがいつも早いから」


「うん。私のことは気にしないでゆっくり食べてね!」


パイプ椅子に座ったまま、裕也の食事風景を眺めていた。


「あんまり見られたら食べにくいんだけど」



味噌汁の入ったお椀を口元に運びながら笑う。



「……あっ!ごめんごめん」 


苦笑いを浮かべ、くるっと身体を横に捻り、外を眺めると、晩秋の夜空に月が姿を現していた。 



駐車場を行き来する車のヘッドライトが、辺りを眩しく照らしている。 



学園祭、もう終わってる頃だよね。今頃、みんなは打ち上げしているのかな……。