「――…ッ」 どうして、榊くんはこうも人の痛いところを突いてくるのだろう。 これでは、ぐうの音も出ない。 榊くんから視線を逸らした私は俯き、火傷した部分に手を当て、その傷を指で準った。 「それと、俺は菜摘ちゃんのこと迷惑だなんて思ったこと、一度もないから」 「……えっ?」 驚いた私は顔を上げ、目の前に立つ彼の顔を見つめた。 「迷惑だと思ってたら、こんなところに最初から来ないよ」