「窓側の男の子、薫の彼氏?」 振り返ると、白地に金魚の柄をあしらった、清楚な浴衣を着た奈緒がいた。 髪を纏めあげた襟足が、すっと伸びて色っぽく、色白の肌にその浴衣はよく似合っていた。 「うん、そうだけど。 もしかして、気に入っちゃった?絶対ダメだよ、和也くんだけは!」 「分かってるわよ! もう一人は菜摘の……彼氏?」 「えっ、まさか…!違うよ!」 「ホントに? 噂になってるよ、菜摘たち。あの人、西高の榊くんでしょ?」 「噂って、どんな?」