ドクン…ドクン…ドクン…… 煩いほどに心臓が音を立て、息をするのもやっとだった。 ――『本当は唇にしたかったけど、それはまた今度な』 新幹線で洩らした言葉が頭を掠め、このあとの展開に期待と緊張が高まる。 唾を呑み込むのさえ躊躇い、汗が噴き出るようだった。 時間にして、およそ数分。 「菜摘……」 そう言うなり、ギュッと力強く抱き締められた。