オフサイド

「外に出よう」


裕也に促され、くるりと向きを変えた。  


「自転車は?」


「あそこ」


入り口から少し離れた場所に停めた赤い自転車を指差す。


「菜摘、時間は大丈夫?」


手元の時計は、夕方の4時を回っていた。


「うん、大丈夫。……裕也は大丈夫なの?」


「あぁ。監督さんから1日だけ休みをもらったんだ」

「えっ、本当に?」


コクンと頷く裕也に、今すぐ飛び付きたくなった。