オフサイド



――それは、突然だった。 


夏休みの課外授業を終え、電車に乗っていると、ポケットの携帯が着信を報せた。


画面に映る文字に胸がドクンと高鳴り、身体に震えを感じた。


一呼吸置いて、通話ボタンを押すと、周りに気付かれぬよう小声で話した。 


「……もしもし?」


「菜摘?俺だけど、分かる?」


「うん」


分かるに決まってるじゃん。

裕也の声を忘れるわけなんてないよ。 


「こっちに帰ってきたよ。少しだけ時間ができたんだ。今から会える?」


「……今から?」


「あぁ」


「うん。会えるけど、今、電車の中だから駅に着いたらまた連絡する」


「分かった!それじゃ、またあとで」