『ねぇ亜子、
今日の夜飲みに行かない?いい感じのお店見つけたんだぁ。』


…講義中小声で話しかけてきたのは樹里。


「あー…ごめん、今日はちょっと…」

『何?何かあるの』


…口ごもる私。


「いや何があるって訳じゃないんだけど…」

『デート!?』

「ちっ、違うよ。」

『あのぶつかった人?』

「えっと…その…」

『電話したんだ!?』

「ま、まぁ…」

『やるじゃん!!後で詳しく聞かせてよね。』

「…うん。」

『そっかぁ…亜子もついに…むふふ。』

「なっ…!!まだ全然そんなんじゃないから!!」

『へぇ~…「まだ」ねぇ。』

「樹里っ!!からかわないでよ!!」

『だぁってぇ~』

『おいそこ!!
講義の邪魔。出ていくか黙るかどっちかにしろ。』


…また怒られてしまった。


『「…すいませーん。』」




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