一瞬なにが起こったのかわからなかった・・・
 唇になんかやわらかいものがあたった。

 それが『キス』だと分かったのは、唇が離れてからだった。

 「ッ・・・り・・りく?」

 唇が離れて陸を見ると、顔が真っ赤だった。

 そんな陸がかわいくて、ずっとみてたらまたキスされていた。
 しかもなんか、さっきよりも・・・激しく・・・

 「んん・・・・ふぅ・・・・ん」

 なんで陸はこんなことをするのかあたしには分からなく
 どうして、好きでもない相手にキスするのか分からなく
 だんだん涙が出てきていた

 「ふ・・・・ん・・・やッ」

 思い切って、陸をおしたあたしは、我慢できなくなり
 涙があふれだした。

 「ど…どうしてこんなこと・・・するの?
 好きでないのになんで?」

 「・・・好きでない相手とキスなんてしねぇよ・・・」

 えっ、今なんて・・・

 「俺はお前のことが好きだよ? だからキスだってした。」

 陸があたしを好き?
 
 「う…そだよ…」

 「嘘じゃねーよ!! 俺はお前が好きだ。 美柚のことが好きだ」

 陸の顔は、冗談を言っているようには見えない。
 『本当に冗談ではなく本当のことを言ってるんだ』
 あたしはそう思えた。