「本当にありがとう。」
三枝さんは、今日ここに来てから一番の笑顔だった。
「いえ、こちらこそすみません。」
「謝らないで。彰が選んだ道だから。」
愛さんは、本当に理解してくれたんだ。
「いえ。本当は、私こそ感謝してるです。」
暗闇の中に突き落とされた私が立ち直れたのは、彰くんのおかげだから.....
晴也と別れなきゃって思ってすぐだったっけ。
だから、愛情よりも同情を選んだんだ。
彰くんは、私のすべてを理解して受け止めてもくれたから。
「では、帰りますね。騒ぐだけ騒いだ感じになってしまってすみません。」
そう言って、三枝さんは、帰った。
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