「なのにやり直したいんだろ。」


「未來を戻すのは、俺だ。」


セイヤの目は、真剣だった。


「戻す?」


カイが聞き返す。


「あいつは、普通に戻れたって思ってるみたいだけど、完璧に心が壊れてる。」


「壊れてる?」


徹が聞き返した。


「未來は、過去をなかったことにしたいと俺に言ったから。あれだって、不本意だったんだろうな....」


セイヤは、苦笑いを浮かべた。


「過去をなかったことにしたいと言われたのになんで?」


「未來は、あんな大人びてなかった。見た目はあのままだけど性格が...たぶん、未來にとって芸能界自体が演技なんだろう。」


「今の未來は、つくりものってことか?」


徹は、声を荒げるようにきいた。


「たぶん、すべてではないとは思いますが....」




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