放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め

電脳の海を越え、俺たちは大地にあがった。

そこらじゅうを手当たり次第にクリックし、俺たちは宝箱を開けまくる。

次々に開かれていく画像、そのどれもが一糸纏わぬ男女のまぐわいのものだ。

嬉々としてパソコンが叫んだ。

「ぼっちゃま!あ、じゃなかった船長!やりましたな~!まさに宝の山!大漁!これが魚だったらとっくに網が破けてるとこですぜ!」

しかし駄目だ、これでは用をなさない…。

パソコンはアゲアゲなテンションのままで、
「ぼっちゃま、じゃなかった、船長!これは船長がご自身のお力で探し当てた宝ですぜ!あっしは、あっしはそれが嬉しくてしょうがないです!」

俺はパソコンの声を遮るように怒鳴る。

「駄目なんだよ!これでは駄目なんだ!肝心な…、これでは肝心な部分が見えない!」

俺が初めての航海で探し出した画像。
そのどれにも、モザイクが強くかかっている。

電脳の海へと漕ぎ出したものの、やはり、日本ゆえに法律という縛りがあるのは当たり前だ。

「ちくしょう!そんなことにも気付かず…、俺は…、ちくしょう、駄目か…、やはり駄目なのか…」

完全体のチョリソーをチェックしようという俺の目論みは脆くも崩れさった。

身体中の力が抜ける…。
知らないうち両膝が地についていた。

うなだれる俺からパソコンは目をそらし呟く。

「…。そういえば…、いつか聞いた事がありますなぁ…。真実の国?ってやつの噂をね…」