パソコンに向かってる俺。

カタカタとキーボードを叩く音が響く。

俺がパソコンを使ってる画はかなりレアだ。

おかげで
「あら珍しいこともあるもんねぇ〜、何してるの〜♪」
なんて言われ、さっきまで母親に付きまとわれてた。

もちろん俺はそんな母親に対して
「やいビッチ!長生きがしたいなら俺様の視界から消るんだ、一刻も早くな!」
って心でつぶやいたあと、
「うん、ちょっと調べものをね、あ、母ちゃん、風呂入っておいでよ〜」

と言ってやった。

「カチッカチッ…」
部屋にマウスの音が響く。

ビッチことマイマザーは、俺の言葉にうながされ、ニコニコ顔で風呂へと消えた。

あいつは意外と長湯だから、30分は出てこないだろう。

王だ。

俺は今、王である。

この時間、俺はこの空間を支配しているのだ。

王でなければ、将軍さまとよんでくれてもかまわない。

…。

遠山くんは元気にしてるだろうか…?

…。

とにかく、今俺は圧倒的な力を持ちこの場所に君臨しているのだ!


え〜とね、我が家にはパソコンは一台しかない。

それはリビングに置いてあり、で、みんなで共有。

つっても俺も母親も使わないから、帰国した父親がたまにいじるくらいで、まあ、我が家のパソコンに与えられた仕事は“埃をかぶる”というぐらいだ。

“埃をかぶる”だけしか脳のないパソコン君に、王であるところの俺は、今夜一つの仕事を与えた。

「カタカタカタッ…」
「カチッカチッ…」

王であるところの俺の指示を受け、パソコン君は一生懸命働いてくれる。