もう、まじ授業どころじゃない。

机に向かいつつも先生の話なんか右から左。

テストが近いっていうのに、頭の中はチョリソーでいっぱいだ。

あれだろ?
どうやらチョリソーてのはよ、個人差があるものらしいじゃないか。
なんで今までそのポイントに気が付かなかったんだろ。

俺は初めてだったからね、亜希が基準になるわけですよ。
だってそうでしょ?
女の人の見たの初めてなんですから!
あれが普通というか、基準になるわけですよ。必然的に。

けど、亜希はさ、俺が初めてではないわけよ。
言ったもんね、亜希
「初めてじゃないよ♪」
って、確かに言いました。

だとするならば、基準は俺以前の人となるわけだ。

ちなみに、俺以前の人が年上だったか同い年だったか、とかは知りません。

だって聞けませんでしたから。

聞けるか?
“どんな人としたの?”なんて。

聞けません。

知りたいけど、知りたくありません。

あ、今気が付いたが、俺以前が1人とは限らないな。

遠山くんいわく、“亜希はヤリヤリ”だし。

って、ぶざけんな、遠山くんに亜希の何がわかるってんだ?

まあ、俺だって、“亜希の何がわかる”って問われれば、たいしてわからないんだけどさ。

そうだな、可能性としては、“1もしくは1以上”の2択だな…。

じゃあ、まあ、亜希はさ、少なくとも1人以上ね、俺以前に基準となるものがあるわけですよ。

そいつがね、かりに、すごいチョリソーの持ち主だったとするじゃないですか?

だとすると、俺のチョリソーは“かわいらしいですね”的な扱いになるわけ。

あれだろ…、重要なファクターなんだろ…?

その…、チョリソーってのはさ…。

わかんないけどさ、色々テクニックに関しては試してみたからね、試したがあまり事態は好転しなかったわけで。
だからさ、やっぱね、可能性としてはさ、考えなくてはいけないわけだ。
俺のチョリソーについてさ。