上の命令は絶対だ。
まさかとも思ったが、現場の俺は本部の指示に従うしかなかった。
「そっか〜、ビゼーのア○ルの女か〜。良い着メロだね♪」
亜希はきょとんとした顔をして俺を見やがる。
なにか間違えたというのは、すぐにわかった。
“ガッデム、本部の奴らめ、矢面に立つのはいつだって現場だ”
亜希は吹き出しながら言った。
「違うよ〜、吹奏楽部!聞こえるでしょ。ほら、ブラスバンドの音!」
恥ずかしさを堪えながら、俺も亜希みたいに、廊下の方を見た。
耳をすませてみると、ブラスバンドの音が遠くから聞こえた。
どこかで聞き覚えのあるメロディー。
亜希は教えてくれた。
「この曲がね、“ビゼーのアルルの女”だよ♪」
こうなった以上、対策本部に残された問題は、誰が責任を追うかだけだった。
“おー、ジーザス!!ビゼーってラップじゃなくてクラシックじゃんか!
俺たち対策本部の奮闘は何だったんだ…。
松永本部長すみません…、私の力およばぬばかりに、この失態…。
しかし、いかせませんぞ。松永本部長1人ではいかせません。私もお供いたします”
上層部の責任問題をよそに、現場の俺はどうして良いかわからず、茫然自失だ。
追い打ちをかけるかのように亜希は言った。
「私もね〜。着メロはね…、ピピピ!だよ」
ガッデム、ピピピ!
俺と一緒!
早合点してア○ルとか言ってしまった俺、顔は真っ赤だった。
亜希はそんな俺に構うことなく
「あ、そろそろ緑化委員会始まる」
とか言って、教室を出ようとしてたし。
“負けたよ…、さすが、年上の男とヤリヤリなんてウワサか流れる女だけあるぜ…”
俺が自分本位な打ちひしがれ感に浸ってたら、机の前で亜希は足を止めた。
「あ、はい、これ、わたしのメアド。暇な時にでも、メールちょうだいね」
そう言うと振り返りもせず、足早に教室を出ていった亜希。
“この勝負、俺の完敗…”
まさかとも思ったが、現場の俺は本部の指示に従うしかなかった。
「そっか〜、ビゼーのア○ルの女か〜。良い着メロだね♪」
亜希はきょとんとした顔をして俺を見やがる。
なにか間違えたというのは、すぐにわかった。
“ガッデム、本部の奴らめ、矢面に立つのはいつだって現場だ”
亜希は吹き出しながら言った。
「違うよ〜、吹奏楽部!聞こえるでしょ。ほら、ブラスバンドの音!」
恥ずかしさを堪えながら、俺も亜希みたいに、廊下の方を見た。
耳をすませてみると、ブラスバンドの音が遠くから聞こえた。
どこかで聞き覚えのあるメロディー。
亜希は教えてくれた。
「この曲がね、“ビゼーのアルルの女”だよ♪」
こうなった以上、対策本部に残された問題は、誰が責任を追うかだけだった。
“おー、ジーザス!!ビゼーってラップじゃなくてクラシックじゃんか!
俺たち対策本部の奮闘は何だったんだ…。
松永本部長すみません…、私の力およばぬばかりに、この失態…。
しかし、いかせませんぞ。松永本部長1人ではいかせません。私もお供いたします”
上層部の責任問題をよそに、現場の俺はどうして良いかわからず、茫然自失だ。
追い打ちをかけるかのように亜希は言った。
「私もね〜。着メロはね…、ピピピ!だよ」
ガッデム、ピピピ!
俺と一緒!
早合点してア○ルとか言ってしまった俺、顔は真っ赤だった。
亜希はそんな俺に構うことなく
「あ、そろそろ緑化委員会始まる」
とか言って、教室を出ようとしてたし。
“負けたよ…、さすが、年上の男とヤリヤリなんてウワサか流れる女だけあるぜ…”
俺が自分本位な打ちひしがれ感に浸ってたら、机の前で亜希は足を止めた。
「あ、はい、これ、わたしのメアド。暇な時にでも、メールちょうだいね」
そう言うと振り返りもせず、足早に教室を出ていった亜希。
“この勝負、俺の完敗…”
