熊田先輩に言われるまま、トランクス一枚の俺はベンチに寝そべった。
この先輩の言うことを聞けば、もっと強くなれる。
出会ったばかりだというのに俺は早くも、熊田先輩に絶大な信頼をよせていた。
「とりあえず、バーベルを胸の位置へ」
熊田先輩は俺を見おろしながら言う。
俺は顔のすぐ上にあるバーベルを掴み、胸の位置に降ろす。
ズシリとした重さが、腕の筋肉を越え骨にまで伝わってくる。
「20キロだから、大丈夫だろ。垂直に、息を止めずに吐きながら10回、ゆっくりやってみろ」
俺は熊田先輩の指示通りバーベルを持ち上げた。
1回、2回、3回、腕と肩と胸にかかる負荷、苦しさが心地よい。
熊田先輩の視線が俺の大胸筋に刺さる。
真剣な眼差しにこたえたい。
バーベルを持ち上げる手に熱がこもった。
「うん、お前の筋肉、良いな。可愛らしい筋肉。うふふ、楽しみだ…」
ベンチプレスの後は、立ち上がってのメニューだ。
大胸筋を中心に、肩、腕、背中を集中的に鍛えあげる。
苦しさと心地よさの中、この一連のメニューを5セット終えると、筋肉がパンパンに張ってまるで自分の体ではないみたいだ。
俺はぎこちなく汗を拭き尋ねた。
「熊田先輩もこのメニューをやってるんですか?」
熊田先輩は部室のドアを気にしながら答える。
「基本はな。まあ、かける負荷が違うが。俺は倍以上の重さで、下半身の筋力をアップさせるメニューも足してやっている」
倍以上の重さ!?
…。
俺はため息をつくしかなかった。
俺の落胆を読み取ったのか、熊田先輩は優しい言葉をかけてくれる。
「繰り返しトレーニングすれば、お前もすぐに俺に並ぶさ。信じて続けるんだ」
俺は涙が出そうになるくらい嬉しかった。
こんなに良い先輩に巡り合えて感謝だ。
感動して言葉につまる俺。
熊田先輩は、再び部室のドアの閉まり具合を確かめてから、俺に言った。
「トレーニングの後、大切なのはクールダウンだ。ちょっと、その…、マッサージをしよう…」
この先輩の言うことを聞けば、もっと強くなれる。
出会ったばかりだというのに俺は早くも、熊田先輩に絶大な信頼をよせていた。
「とりあえず、バーベルを胸の位置へ」
熊田先輩は俺を見おろしながら言う。
俺は顔のすぐ上にあるバーベルを掴み、胸の位置に降ろす。
ズシリとした重さが、腕の筋肉を越え骨にまで伝わってくる。
「20キロだから、大丈夫だろ。垂直に、息を止めずに吐きながら10回、ゆっくりやってみろ」
俺は熊田先輩の指示通りバーベルを持ち上げた。
1回、2回、3回、腕と肩と胸にかかる負荷、苦しさが心地よい。
熊田先輩の視線が俺の大胸筋に刺さる。
真剣な眼差しにこたえたい。
バーベルを持ち上げる手に熱がこもった。
「うん、お前の筋肉、良いな。可愛らしい筋肉。うふふ、楽しみだ…」
ベンチプレスの後は、立ち上がってのメニューだ。
大胸筋を中心に、肩、腕、背中を集中的に鍛えあげる。
苦しさと心地よさの中、この一連のメニューを5セット終えると、筋肉がパンパンに張ってまるで自分の体ではないみたいだ。
俺はぎこちなく汗を拭き尋ねた。
「熊田先輩もこのメニューをやってるんですか?」
熊田先輩は部室のドアを気にしながら答える。
「基本はな。まあ、かける負荷が違うが。俺は倍以上の重さで、下半身の筋力をアップさせるメニューも足してやっている」
倍以上の重さ!?
…。
俺はため息をつくしかなかった。
俺の落胆を読み取ったのか、熊田先輩は優しい言葉をかけてくれる。
「繰り返しトレーニングすれば、お前もすぐに俺に並ぶさ。信じて続けるんだ」
俺は涙が出そうになるくらい嬉しかった。
こんなに良い先輩に巡り合えて感謝だ。
感動して言葉につまる俺。
熊田先輩は、再び部室のドアの閉まり具合を確かめてから、俺に言った。
「トレーニングの後、大切なのはクールダウンだ。ちょっと、その…、マッサージをしよう…」
