「有藤先生、旭さんは今日どうしますか? ―――……入院、ですか?」



有藤が振り返ると、奈津子は気まずそうに後ろ手を組み、



「患者さんたちに人気あったから、きっと皆……、ショック受けます」


「…………」


「わたしも患者さんたちも、旭さんが大好きです。何か他に方法は無いのですか?」



奈津子のすがる様な視線から目をそらし、有藤は



「…………とりあえず今日は、私の家に泊めるわ。明日、院長に話してみる」



がっくりとうなだれた奈津子を見、有藤はわざと明るい声を出した。



「さって! 旭さんの家の鍵持ってるから、彼女の着替え取りに行くわ!」


「え、それって不法―――」


「い、いや、一応此処に来る時に彼女には言ってるわよ?」





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