「いらっしゃいませー」
レジでにこやかに立っている女の人の声だけが聞こえた。
店内を見渡すと竜也は食料品をいろいろと並べている。
まだ気付かれない様にしておこう。
そう思って竜也には見えないところへと行く。
いろんな雑誌があるところに立ち止まって雑誌を開いた。
「彩芽ー、やばいって。これ落ちる!」
焦っている竜也の声が聞こえて私はそっと竜也のほうを見た。
“あやめ”…?それって名字…?なま…え?
変な胸騒ぎを覚えてレジを離れて竜也の元へ行く女の子を見つめた。
「大丈夫?品物落としちゃ駄目だってー」
クスクス笑いながらいう女の子の声が耳に届く。

