一方、ジゼルの元へ向かったリョーガはジゼルの状態を確認しながら名を呼んでいた。
「ジゼ?おいジゼ!?」
何度名を呼ぼうが反応はなく、身を揺するが瞳を開く事はない。
どうしたものかと金髪の頭を掻くと、近くから爆発音のような物凄い音が轟いた。
突然の事に驚きそちらへ目を向けると、ヴェルディとコウガの姿が目に入る。
2人の間には爆発が起こったのか細かい粒子が煙のように立ち上っていた。
(凄い事になってやがる……早くジゼを安全な所に連れて俺も加勢しねぇと………)
冷風を頬に受けながら息を呑むと、リョーガは目を覚まさないジゼルを抱えようと振り返る。
すると…
「……ジゼ!?」
爆音で目を覚ましたのか、ジゼルは茶色の瞳を開き、いつもとは違う瞳でどこかを見つめていた。

