一直線に伸びる広い道。
右手にはカフェやレストラン、雑貨屋など様々な店が建ち並び、左手には背の高い草花がどこまでも続いていた。
隣町へとやって来たリズライド家とジゼルの4人。
4人は黒のスーツを見に纏い、別れ道の無いこの道を歩いていた。
すれ違う人々は皆俯き、悲しそうな顔をし重い足取りで歩いて行く。
そんな人々を見て目を伏せるジゼル。
傍にいたヴェルディはジゼルの頭を撫で慰め、後方のコウガはいつもとは違い真剣な面持ちである。
3人と距離を取り前方を歩くリョーガはポケットに両手を突っ込み、段差のある道端を呑気に歩いて行く。
随分と長い距離を歩いた後、先を歩いていたリョーガは段差から飛び降りると方向転換。
多彩な色と形をした墓石の並ぶ広場に入ると、奥にある一際大きな墓石と向かい合う。
「……これは………」
「俺達リズライド家の墓。顔も知らねぇ爺の墓だけどな。」
リョーガに追いつき隣に並ぶと、巨大な墓石を目にしたジゼルは驚いた表情を浮かべた。
「私が昔お世話になった魔法使いの………」
墓石に書かれた文字を読みそう呟くと、何かを思い出すように目を細める。
「何千年と時が過ぎようと、私はこうして生きている……皆様は命を落としているというのに………」
「お前の中では、時は止まってんだな………」
悲しみの色に染まった瞳を墓石から反らすと、力強く拳を握るジゼル。
そんなジゼルの隣で呟くリョーガはジゼルの肩に手を回すのだった。

