『…何の用だ』


『あらぁ~上司に向かってそれは無いでしょ? 査定にひびくわよぅ』


人差し指を唇に当てにっこり笑う美人のお姉さんにあたしはただ呆然とする事しか出来なかった。


『宜しくね、私雫』


『あ…あたしお茶入れます』


『私、ローズヒップティーが良いわぁ』


『…えっと…無いんでちょっと買って来ます』


慌て準備をするあたしに頼牙がめちゃくちゃ渋い顔してる。


『悪いな…唯』


『全然、ちょっと行って来るよ』


『携帯持ってけよ』


『はあい』


会ったばっかりだけど雫さんに悪い印象は無かった。何でも言う事聞いちゃいたいような…カリスマ性? みたいのがあるんだな。


『…不思議な人だなぁ』


サンダルを履いてスーパーに急いだ。