『別に謝らなくていいぜ?
唯のかっわい~寝顔見れたし』


『…っ…馬鹿ぁ』


笑う頼牙を一睨みして熱い顔を隠す様にして洗面所に駆け込んだ。


☆ ☆ ☆


『…まだ笑ってる…』


朝御飯中も尚喉の奥でくっ、とくぐもった声で笑い続ける目の前の頼牙に頬を膨らますと涙目(笑い過ぎだよ!)でごめんね、って謝るけど許さないもんね。


『いや…本気で唯はかわいーよ…本当…』


『むーー』


文句を言ってやろうと口を開けたその時。


『頼牙様! 』


黒スーツのお兄さんが慌ててキッチンに入って来て。

『し…雫様が…っ! 』


ぜえぜえ息を切らして言った。


『…はぁ? 雫? 』


眉間を思いっ切り寄せて頼牙が言った直後。


『らぁいが~! 雫様が来てあげたわよぅ~! 』


玄関から明るい女の人の大声が聞こえて来た。