Sweet×Lv×U

『...ああ...ぞくぞくするな? 』


ゆっくり瞳の焦点をあたしに合わせて笑うその顔は、知らない人みたい。


『もし...お前に危害を加える奴が居たら...くくっ....。』


(....怖い...。)


『らい...が...。』


その瞬間、夢から醒めたみたいに頼牙が息を飲んだ。

『唯。』


『ごめんっ! 学校遅れるから行くねっ! 』


あたしは逃げるように鞄を掴んで家を出た。


ただ、どうしようもなく怖かった。


そう感じた自分にも腹が立つ。


助けてくれて、良くしてくれてるのに。


何故か泣き出しそうになって全速力で走った。