最後の場所は…










「懐かしいわ〜」


母と父が出会った場所。
私の生まれ故郷。





「どうしてここで出会ったの?」


木が1本だけあって他には何もない広場。



「いまだに分からないの、ただなんとなく」



母は幸せそうにほほ笑んだ。

父と母は本当に仲が良かった。







「紗璃は好きな人いるの?」


「…いないよ」


母はきっと気付いてる。

あたしの好きな人が伽衣だってこと。