震える声で私の名を呼ぶ。

愛はとっさに答えた。

「死のうとした訳じゃないわ。
 リストカットは、生きる一つの手段なの。」

リストカットは死ぬためにあるなんて、嘘。

やらないと分からないのに、決め付けないでほしいわ。

勝手に思い込んで、決め付けて、引いたり差別したりして。

そんなんだからおかしな人が増えるのよ。

そう心の中で訴えた。

そして新藤は、ゆっくりと愛を抱きしめた。

「ごめんね。ごめんね。どう接してあげればいいのか分からなくて、傷つけちゃったね。
 愛ちゃんのお母さんに近づけなくてごめんね。」

泣きながら新藤は答えた。

愛はその時気がついた。

「私の事、そんなに思ってくれてたの?」

新藤の涙は嘘なんかじゃないと分かった。

そして新藤は、プレゼントを開けるように言った。