【短】特等席


「な、…なにっ?いまさら…っ」

カァッと一気に熱くなった頬を両手で隠した。


胸の下まで伸びていた髪を、鎖骨あたりでバッサリ切りそろえたのは半月ほど前のこと。


今までの自分とは、ちがう自分になりたくて。


「とりあえず、髪、切っちゃおうかな…」

なんて、安易な考えでバッサリと。


短くなったあたしの髪型を初めて見たとき、美佐子は、

「あ、切ったんだ~」

としか言ってくれなかったのに。



「今さらだけど、そう思ったの!」

美佐子はそう言うと、真っ赤な顔したあたしを指さしケラケラと笑った。


「…あ、そ……」

突然、美佐子に褒められ、

《こっちのがいいかもな》

という彼の言葉も手伝って、夏の暑さの残る教室の中、あたしは必要以上に体温を上昇させていた。