【短】特等席


「ふぅん…。そっか」

美佐子が素直に納得するから、

「あ、……ごめん。あたしが言うことじゃなかった…」

泣きそうになった。


「なんで咲季が謝んの?」

フッとやわらかな表情をした美佐子は、

「考えてみたらさー、大和といっつも一緒にいたら、誤解されちゃうよねぇ」

と言ったあと、グッと顔を近づけてきて、耳元で“総一郎に”と付け足した。

「……ごめん」

もう一度謝ったあたしに、

「だから、謝んなくていいんだってば」

美佐子はニッコリ笑って言った。



それから数日後。

美佐子から送られてきたメール。

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総一郎と付き合うことになったよ
詳しくは明日!
学校でね

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美佐子にしてはめずらしく、絵文字がいっぱいだった。