消防隊の人は、あたしを連れてった。
着いた所は、救急車の近く。
そこにブルーシートがあった。
その下に何かあるのかな?
ブルーシートは、ふっくらしていた。
消防隊の人は、
ブルーシートをめくり、
「この人は、君の父親?」
と聞いてきた。
ブルーシートの下に真っ黒になったお父さんの姿があった。
目を閉じていて、火傷だらけの全身。
「もぅ…亡くなってます」
救急隊の人が呟く。
目から涙が出てきた。
お父さん今まで嫌だったのに…
今は、全然そう思わない。
「あたしのせいだ」
あたしのせい……
夜遊びなんかしなきゃこんなことには、ならなかった。
あたしが真面目だったら、お父さんは、死なないですんだ。
「この荷物どうされます?」
消防隊の人が持っていたあたしの荷物。
「何で外に…」
きっとお父さんが出してくれたんだろう。
あたしの荷物。
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