「とりあえず、預けるのが一番だと思うのだが・・・。」


 一緒についてきても、不幸にしかならない。


 結局、仲間が増えただけで、破滅への道が救われたわけではない。


 この子のためにも、引き取り手を捜すべきだ。


 グストとリンと新しい仲間、ララは近場のレストランに入り、緊急会議を開いていた。


 さすがに、今回はスプーンとフォークを使ってくれているか。


 良かった。


「フーガまで行けば、貰い手の心当たりはあるわよ。」


 ララの言葉。


 確かに、ララは今までフーガで医者をやっていたのだ。


 コネは広いほうだろう。


「フーガか、あそこまで行かなければならないというのか・・・。」


 そもそも、この街を出るのに、既に2日はかかる。


 何せ、ここは世界で一番金持ちの町。


 その広さも半端ではない。


「フーガってどこだ?」


 リンの質問。


「西の国だよ。歌と踊りの国だ。」


「歌と踊りか・・・楽しそうだな。」


 まぁ、そうだろうな。


 少なくとも、あそこは娯楽に満ちている・・・俺たちアイスラ人から見たら、堕落した街に見えなくもないが。