孤児院に向かうことにした。


 当初の予定に変わりはない。


 ここで、リンを引き取ってもらい、俺はアイスラに帰る。


 そして、復讐を果たし、俺の旅は終わる。


 それで、終わりなのだ。


 しかし・・・。


「これは、どういうことだ?」


 先日、ドクターにもらった地図の場所。


 そこに行くと、人だかりが出来ており、その中を割って入ると、燃えカスになった孤児院が見ることが出来た。


 火事・・・。


 咄嗟に劇場のことを思い出す。


 また・・・ギル君?


「一昨日に引き続き、またか・・・。」


 野次馬の一人からそんな言葉が漏れる。


「まったくだ。さっさと、あの貴族さまにもお帰り願いたいものだ。俺の家まで燃やされたらたまったものじゃないしな。」


 町人が次々に口にする。


 まったくだ。


 劇場を燃やし、俺を燃やし、あのギル君はまだ懲りないのか?