「英雄だよ。」
・・・・・・・・・は?
ラグストールの言葉の意味が理解できなかった。
何を言い出す?
「古来より、英雄って呼ばれる人間は、数奇な運命に翻弄される。例えば、『異世界の剣士アキラ』あいつは、文字通り『異世界人』だ。どこから着たのか、そして、魔王を倒した後、どこに消えたのか、さっぱり分からない。」
その話なら、コイツより、自分の方が詳しいだろう。
自らの異世界人と名乗った、アキラ。
彼は旅の途中も、どこかに姿を消したという話も聞く。
異世界とこの世界を行き来する、特殊な力を持った剣士。
だけど、なぜか火の精霊を宿していた。
「それ以外にも6英雄というのは、英雄と呼ばれる前から、数奇な運命を辿っている連中の集まりだった。」
闇の精霊、傭兵カララ。
水の精霊、弓使いサン。
光の精霊、王子アリス
風の精霊、貴族リリス
土の精霊、格闘家リン。
全て、数奇な運命をたどった連中の集まりだった。
立場も、身分も、育ちも、全てがバラバラの人間が、その数奇な運命のめぐり合わせによって、集まったのが、6英雄。
・・・・・・つまり・・・


