「何を言ってるんだ?」


 意味が分からない。


 コイツは、何が言いたいんだ。


「例えば、自分の身の回りにおかしなことが起こったとする。一度目は偶然と片付けることが出来るだろう。だが、二度目となれば、それは奇跡だ。しかし、それが、三度目となると・・・?」


 ・・・・・・・・・・。


「そんなものは、ありえない。」


 答えたが、実際自分の旅を振り返り、それはないと思った。


「その通り。一度目は偶然、二度目は奇跡。しかし、三度目、それは必然だ。」


 つまり、運命。


「・・・・意味が分からないな。」


 何が言いたいんだ、コイツは?


「なぁ、こいつ何を言ってるんだ?」


 リンもやっぱりそう思うか。


「ドクターに少しだけ話は聞いた。悪いが俺はお前たちほど頭が切れるわけじゃないから、難しいことは分からないがな。お前、あの火事の患者が溢れているところに、偶然であわせたらしいな。」


「そうだが?」


「そして、次の日には、その当事者とあっている。」


 ・・・・・・・・・・。


「あの火事の原因は、ギル君か?」


 そういえば、よほどのことがない限り、ファイアルの貴族なんてお目にかかれない。


 考えれば、分かりそうなものだった。


「そんなことは、些細な問題よ。」


 些細な問題なものか!


 あれで、何人の人が怪我をしたと思っている。