火傷の痛みは次の日には引いていた。


「お前さんが調合した薬を試してみたのだが、たいそうなものだな。


 ドクターの言葉。


 しかし、それだけで、この回復量は異常だ。


 実は、医療魔法を受けるのは、コレが初めてなのだが、こんなにも効力があるものだとは思いもしなかった。


 とりあえず、お礼を述べて、グストとリンは地図に書いてあるホテルに向かう。


「任せろ、次はあんなへまはしないぞ。」


 道すがら、自信満々に腕を振り回すリンを見て、さすがにゲンコツを食らわした。


「痛い・・・。」


「ケンカをしに行くんじゃないんだ!」


 こいつ、本当にファイアルの民じゃないのか?


 それとも、この時期の子供はみんなケンカ早いのか?


 そんなことを、考えながらグストとリンが訪れたのは、街の中でも見栄えがする。超高級ホテル。


 王国管理の、時々他国の王や大臣などが寝泊りするほどの宿泊施設だった。


 その姿は、まるで王宮を思い出すほどに、豪華絢爛に飾られており、3階建ての面積も普通の宿屋に比べ、何倍もの大きさがある施設だった。