「危ない!!」


 その行動を冷静に分析できたら、自分はバカだと表現しただろう。


 だけど、身体が勝手に動いていたのだ。


 何が起こったのか、理解できずに目を丸くして立ち尽くすリン。


 見ていただけのギル君の親も、まさか呪文まで唱えるとは思ってなかったらしく、対応が遅れた。


 そして、リンの身体をかばうように、グストの身体が滑り込む。


「ぐわっ!」


 背中が焼けるように熱かった。


 いや、実際に焼けていたのだろう。そして、次の瞬間気を失った。


「グスト?・・・グスト!!」


 遠くでリンの叫び声が聞こえたような気がした・・・。