「・・・みたいだな。まったく、ろくなことをしてくれないな。」


 心から思った。


 興味本位で魔法を使えば、多くの被害が出る。


 特に、火の魔法は、攻撃的な魔法が多いのだ。


 自分がいうコトではないかもしれないが、まだ物事の分別が付かない子供に教えるのはどうなのだろう。


「火か・・・火は嫌いだ。熱いし火傷をする。」


 その程度の感覚しか持ってないお前は幸せだよ。


「おい、お前、今なんていった!」


 しかし、その言葉を誰かが聞いていたらしい。


 聞き覚えのない、子供の声が聞こえた。


 顔を向けると、そこにいたのは、リンと同じぐらいの身長をした男の子。


 短髪の黒髪、つりあがった目をしており、見るからに上等な赤い服を着ていた。


 仁王立ちして、こちらを睨んでいる。


「?誰だ、お前は?」


 リンの当然の質問。


「俺は、ギル。誇り高きファイアルの戦士だ!それより、お前今、なんて言った?」


 男の子はその表情でわかるぐらいに怒りに燃えている。


 子供のいうコトだから、あまり気にすることではないが、ファイアル人よ。とりあえず、ここはライスト国だ。


 火が嫌い・・・という言葉だけで反応していたら、きりがないぞ。