「貴族の坊主がな・・・遊び半分で魔法を使ったら、このざまだ。」


 原因も分かっているのか?


 ファイアルの貴族。


 野蛮人だと聞いていたが、これほどとはな。


 馬が合わないワケだ。


「貴族ってなんだ?」


 ・・・・・・・・・あ~、もうコイツは・・・。


「リン、少し黙ってくれないか?今、大事な話をダナ・・・。」


「まぁまぁ、お譲ちゃん、貴族というのは、魔法使いのことだよ。」


 ドクターは丁寧に説明してくれた。


「魔法?魔法なら、グストも使えるじゃないか?」


「あれは、魔法じゃなくて薬の力なの。いいから、少し黙ってろ。」


 さすがに、怒鳴った。


「ハッハハ、仲がいいことだな。」


 二人のやり取りを見て、ドクターが柔和な笑みを浮かべる。


「すまない。それで、貴族の坊主とは?」