「よし、場所がない。ここで治療を行う、重症患者は、主治医に任せるぞ。俺は軽症患者の相手をする。看護師、そのカバンの中に、青い筋が三本入った葉っぱがある。わかるか?」
「メラメラの葉ですね?」
正式名称は違うが、通称そう呼ばれているものであることは確かだ。
「名前が分かっているなら早い。それをすりつぶして欲しい。俺はギルルの実を煮る。」
「かしこまりました。先生~」
看護師は、一応了承を取るといわんばかりに先生に声をかけたが・・・
「聞こえていたよ~。その人のいうコトに従いなさい。そして、旅の方すまんな。」
手が離せないのか、声だけが聞こえた。
「構わない、その代わり、軽症患者以上は魔法が必要となる。そちらに任せるぞ。」
「わかっておる。任せろ!」
医者が返事をしたので、グストは「よし」とだけ、返事をして、彼らの治療に当たり始めた。
メスとはさみ、薬品と包帯の位置を聞き、診療開始。
医療を行った経験はコレが初めてではないが、それでもグストは正規の医者ではない。
まぁ、やれるだけはやってやろう。


