「すまない、薬を売りたいのだが・・・」


 と、いうコトで、グストたちが訪れたのは、この町で見かけた大きな病院。


 十字のマークが目印であり、見た目は他の家とそれほど代わりはない。


「!」


 しかし、その言葉を聞いて出てきたのは、白い服を着た女性。


 若い。


 こんな若い女が医者?


「あ・・・あなたは、アイスラの人間ですか?」


 若い女性は、顔面蒼白にそんな質問をしてきた。


「そうだが・・・。」


「よかった・・・先生!アイスラ人が尋ねてきてくれました~!」


 若い女性は、それを聞くと、ほっとした表情を浮かべて、屋敷の奥にいるであろう、『先生』と呼ばれた人物に大声を上げる。


 つまり、この女性は『医者』ではなく、看護師というコトなのだろう。


「そうか~!すぐにこちらに来てくれ!!」


 室内から大声が上がる。


「どうしたんだ?」


 聞かざるを得なかった。


「急患です!人が足りません、少しでも医療の知識がある人間を必要としています。お願いします、お代は弾みますので、助けてください。」


 ・・・・・・・・ここもか?


 ドーラの地に寄ってから、何かがおかしい。


 訪れる地、訪れる地で、何かにめぐり合う。


 そうなるように、仕向けられるように。


 神は、俺をどこに導こうとしているのだろうか?