「・・・・・これ。」


 しかし、そんな心配をすることなく、リンはいつの間にか、グストの背後に立っていた。


 その手には魚と果物が握られている。


「取って来てくれたのか?」


「あなたの食事は、とてもまずい。」


 それはすまなかったな。


 素直にお礼を良い、リンが取ってきた魚を焼き始める。


「・・・・・・・なぁ、リンの両親はどこにいるんだ?」


 彼女はドワーフではない。


 見た目からもそうだが、何よりも自分の後ろに着いて来た時点で分かっているのだ。


 あの足の遅いドワーフが、自分と歩調を合わせて歩くことなんて出来るものか。


「私はドワーフと言った。」


 ・・・・・・・・。


「お前は人間だよ。」


 しかし、俺としてはどちらでも構わないがな。という言葉も付け加える。


「・・・珍しい話ではない。」


 リンが折れた。