「ここで野宿をする。良いだろう?」


 一応、リンへの確認。


 黙って縦に首を振ったので、グストは、野宿の準備を始めた。


 火をたき、携帯食料を取り出し、二つに分けて、リンに渡す。


 水は、ドーラからもらってきたが、この変なにおいがする水はなんだろうな?


 まぁ、飲めれば文句はないが・・・。


「まずい。」


 リンが、携帯食料を食べての一言。


 食えるだけでもありがたいんだよ。と返しておいた。


 周りの景色に目を配る。


 紅葉づいた山。


 ドーラの地域でこれだけの秋というコトは、アイスラの国では既に冬だろう。


 アイスラ国は、一年の半分を氷で閉ざされる。


 食料は夏の間に確保しなければ、あっという間に餓死をする。


 必ずしも、住みやすい環境とはいえない土地。


 それでも、グストに言わせれば生まれ故郷。


「・・・・・リンの家族は・・・。」


 暗くなったから、野宿の準備を始めたものの、実は時間にしてそれほど遅い時間ではない。


 さすがに、まだ眠くないのでリンと世間話でもしようと思ったら、リンの姿が消えていた。


「リン?」


 グストの背中に冷や汗が流れる。


 彼女が消えたら、俺はドワーフに狙われる。


 銃の弾数は限られている。


 それより、地中を行くあいつらに、銃弾が通じるのか?