「だったら、放っておけ。」


「人間、楽に死ねたほうが、良いに決まっているだろう?・・・台所はあそこだな。借りるぞ。」


 言うと、グストは、勝手にキッチンに入る。


 しかし・・・・・。


「なんだ?コレは?」


 釜はどこだ?水桶は?この細長いのはなんだ?火打石、一つ見当たらないぞ。


 この箱は、何に使うんだ?


「馬鹿者が、コンロも水道も知らないで、偉そうな口聞きやがって。」


 キッチンに潜入してきた、バカスが口を開く。


 コンロ?水道?


 なんだ、それ?


「いいから、見て置け、こうやって使うんだよ。」


 バカスは、どけというと、箱のつまみを捻る。


 瞬間、箱から炎が上がる。


「魔法!?」


「科学だ。」


 次に水道の使い方を教えてくれた。


 この取っ手を捻れば、水が出る・・・と。