「・・・・・・・・・良いだろう。」


 何かを考えた末に、リーダーは折れた。


 万が一、戦闘になったところで、はやり勝ち目は薄いのだ。


 彼ら三人組はギルが、一人でいることを前提に組織されたメンバー。


 予想外のメンバーが残り三人。


 しかも、それぞれに、まったく別の戦闘パターンを持っているため、どこにどう対処して良いのか、戦術が組めない。


 銃に対応したら、怪力の拳が飛んで来て、炎に対応しようとすれば、毒が舞う。


 そういう、余りにランダムな戦い方を要求される場面。


 3対4という以上に、余りに不利な状況であることは確かなのだ。


「お前たちのことは、隊長にも連絡をさせてもらう。私は見逃すが、隊長は女だ。」


 男ならば英雄に夢を見よう。


 だが、女ならばどうだろう・・・。


 同じように英雄に夢を見るか、それともあくまで犯罪者というコトに目を配り、部隊を再編成してこちらに攻め入るのか・・・。


「どちらにしても、この距離だ。お前たちがライストに戻り、再びここに来るときには、アイスラに入国している。」


 簡単には捕まえられないさ・・・。


「関係ない話だ。その程度の権限ぐらい、ライスト国にも存在する。」


 だからと言って、冬のアイスラに来るか・・・。


 頭の良い選択とは思えないがな・・・。


「せいぜい、お前たちの隊長が、俺たちに対して穏便な処置を取ってくれるよう、祈ってるよ。」


「私もだ。出来ることならば、私も、英雄の夢を見てみたい。」


 言うと、ガーディアンのリーダーは、剣を仕舞い、その場を後にしていった。