「今戻れば、まだ刑は軽く済みます。お父様も心配しております。さぁ、こちらに・・・。」
優しく手を差し伸べるガーディアン。
しかし・・・それを・・・。
「ギルに触るな!」
リンが突き飛ばした。
「なっ!」
一瞬何のことか分からず、後ろに吹き飛ぶガーディアン。
訓練された兵士。
そりゃまともに遣り合ったら、力も技も向こうが上だろう。
だが・・・彼らはリンの恐ろしさを知らない。
ドワーフに育てられた娘、リン。
そのパワーは、人間の何倍にもなっている。
むろん、今のはガーディアンが、『まさか、こんな幼い女の子がそんな力を持っているわけない』という油断から来たものだろうが・・・。
まったく、あとを付けているなら、俺たちの調査もしっかりしておけ。
お前たちの見立てでは、まさかリンまで戦力内に入っているとは考えていなかったのだろう?
まぁ、俺もこんな子供にコレだけの力があるとは思ってなかったが。
「貴様!」
突き飛ばされた、ガーディアンが起き上がり、激昂を飛ばしながら剣を構える。
咄嗟に反応したのは、グストとララ。
リンとギルをかばうように、矢面に立つと、グストは拳銃を、ララは両手を前に出す。
しかし・・・。
「まて!お前の剣は、女子供に向けるほど腐っているのか?」
別のガーディアンに静止させられた。
どうやら、彼がこの部隊のリーダーらしいな。
話は通じる相手みたいだ。・・・だったら、何とかなるかもしれないな。