「ガーディアン!」


 ララが、自分たちの前に立ちはだかる、軍服のライスト人を見て、叫ぶ。


 旅の途中にある一面の荒野。


 彼らの前には三人のライスト人が構えていた。


 このタイミングで現れたというコトは、今まで着けて来て、勝算が取れると思ったところで飛び出したのだろう。



 ガーディアン・・・ただの憲兵や軍人とは違う。


 まさに、ライスト国の中でもごく一部の者だけが名乗ることの許された、エリート集団。


 主な任務は、降魔師の護衛のはず・・・。


 なぜ、こんなところに・・・。


「私たちの目的は、その重罪人、ギル=ラグストールを捕らえる事にあります。大人しく、抵抗しないのであれば、危害を加えるつもりはアリマセン。」


 口調は丁寧だが、その言葉は殺気に満ちている。


 なにより、剣を抜いているのが、その証拠。


「子供相手に、エリートが出てくるとはな・・・。」


 思わず、その体制にため息が出る。


 もっと、雑魚をよこしても良かっただろうに?


「ギル容疑者は、まがりなりにも、魔法を所持しています。それにまだ少年。むやみに怪我をさせるわけには、参りません。」


 なるほど。確かにギルの使う魔法は、魔法の中でも最強を誇る、炎系の魔法だ。


 それを扱うことの出来る少年を、無傷で捉えろというコトになれば、エリートが出来るのもうなずける。


 それにしても・・・無傷か・・・。


 ガーディアンの隊長・・・噂で聞いたことがあるが、セリーヌって名前だったか?


 女の割には、騎士道というものを持っているな。


 だが、彼女は、このギルがどれほどの存在であるのか気がついているのだろうか?