リンとは、いいケンカ相手になって、しょっちゅう戦っては、ギルが負けているのが見えた。
「何で勝てないんだ~?相手は女なのに・・・」
負けるたびに悔しそうな顔をするギル。
いや、リンはかなり特殊なんだ。
大の大人だって、リンと真正面から向かって行ったら、勝てないだろうよ。
「お~い、ご飯だぞ!」
飯は四人になって、さらににぎやかになった。
幸い、リンやギル君が張り切って、魚や果物を取ってきてくれるので、あれほど買った携帯食の出番はほとんどなかった。
調理担当はララになった。
グストがたまには、変わる・・・といいだすと、リン、ララ、さらにはギルにまで止められた。
まったく、お前たちは・・・。
だいたい、携帯食料だってあるんだぞ。一週間分。
「せっかく買ったのだけどな・・・」
グストは荷物の中に入っている携帯食を見ながらため息をつく。
むろん、魚や果物の方がいいのだが、せっかく買った以上は無駄にはしたくない気がする。
「ギル、気をつけろ。私たちが魚や果物を取ってこなかったら、グストのヤツ、容赦なくあのまずい、携帯食を食わせるぞ。」
おぃ、リン。
「ああ、分かってる。一個もらったけど、あれは死ぬほど不味かった。どうして、あんなものが食えるんだろうな?」
ギル君?
「グストのヤツは舌がおかしいんだ。」
「どうりで・・・。」
「こらぁ!二人とも、そんなこと言ってるぞ、食わすぞ!!」
「「きゃ~!!」」
それを見ながら、大笑いするララ。
その旅は、本当に父と母、そして姉と弟の家族同士の旅のようだった。
しかし、三日後、事件は起きる。