「お前たちと旅を同行する。」


 次の日の朝、ギル君の返事はそれだった。


 事情を説明。


 ギル君が犯罪者となったことを説明。


 その上で、彼にどうするかの選択肢を与えた。


 その1、ライスト国に帰り、パパと合流。ただしその場合、憲兵たちに捕まることは覚悟しなければならない。


 その2、俺たちの旅に同行。アイスラまで逃げてしまえば、いくらライスト国とはいえ簡単には手出しは出来ない。


 微妙なパワーバランスで保っている、この世界。


 安易に憲兵が他国に入るのは危険だ。


 その3、ファイアルに行く。


 一番面倒だが、一番、安全で確実な方法である。


 だが、この場合、グストたちがアイスラに向かうために北に進んでいることを考慮しなければならない。


 つまり、ここから、南のファイアルに向かうには、あのアイスラ国をつっきるか、何日もかけて、迂回するしかない・・・というコトだ。


 当然、グストたちはそれだけの長旅の準備まではしていない。


 一週間後には、アイスラとライストの国境線を超え、アイスラの中では一番南の村に到着するため、そこに行くまでの装備しか持ってないのだ。


 と、そこまで説明したところで、ギル君は、当然「その2」を選んだ。