「あ~あ、食べながら寝ちゃったよ。この子。」


 ギル君を見ながら、ララがあきれた声を出す。


 ギル君のほうに目をやると、料理を九割がた食べ終わった状態で、座ったまま眠ってしまったギル君を見ることができた。


 ・・・器用な真似するな。


「衰弱から回復したといったって、万全というわけではないだろう?とりあえず、テントに寝かせよう。リン、お前も眠いだろう?今日は寝ろ。」


「え?・・・お、おぅ!」


 半目状態で、フラフラしているリンの生返事。


 お前も飯食ったら、眠くなってしまった口か。


 子供は、消化が早くて良いな。


 グストは、ギル君を抱えるとテントに戻り、毛布をかける。


 ララもリンを抱えてグストに続いた。


 残ったのは、大人二人だが・・・まさか、二人で同じテントというわけには行かない。


「とりあえず、グストは外で寝るべきね。」


 やっぱり、そうなりますか?


「へいへい。」


 異論はない。焚き火の片づけをして、簡単な荷造りをして今日は終了。


 ララは、ギル君とリンが寝ているテントの中に入っていき、グストは外で野宿をすることになった。


 それにしても、英雄パーティだというのに、その実態は、子供と女しかいない。


 ましてや、唯一の成人男性であるグストも、学問の国であるライスト国出身で、戦闘経験と呼ばれるものはないに等しい。


「・・・・・こんなメンバーで、世界が救えるものなのか?」


 もし、俺たちが本当に英雄のパーティだとしたら、旅の行き着く先にあるのは、世界的な危機だ。


 それを、コレだけのメンバーで行うとなると、いささか不安が残った。