「!・・・ここは・・・?」


 気がついたとき、ギルの上には布製の屋根が見ることが出来た。


 毛布が身体にかけられており、ここがテントの中で、自分は毛布をかけられ、介護されたのだ・・・と、気付くのに、数秒かかった。


「だから、お前は魚の食い方をわかってない。この魚はだな・・・」


「リン、いいじゃないか?美味ければ何でも・・・。」


「あ~、これだから、グストの飯はまずいというのだ。」


「それはいえてる、コイツ、料理だけは昔から、全然ダメでさ・・・。」


「良いじゃないか?男なんだから。」


「「うわっ、時代遅れ~」」


 テントの外から、声が聞こえる。


 顔を覗かせてみると、勝気な少女と、男女の大人が輪になって、焚き火をしながら何かを食べているのが見えた。


 ・・・そういえば、お腹すいたな・・・。


「あ、ギル君、起きた?」


 大人の女性が自分の存在に気がつき、声をかける。


「お、ギル飯食うか?魚だぞ魚。私が取ってきたやつだぞ。」


 勝気な少女・・・えっと・・・会ったことあるぞ。確か、リンって名前だったはずだ。


「とりあえず、こっちに来い。」


 今度は、大人の男性の方が声をかける。


 あれは、リンと一緒にいた、アイスラの庶民・・・。


「き・・・貴様ら、何のつもりだ!金なら、ないぞ!パパに言っても無駄だぞ!」


 一応、警戒のために大声を出してみるが・・・。


「飯、食わないのか?」


 大人の男性に言われた。


 その目はキョトンと丸くなっていて、お前、何を言ってるんだ?といわんばかりの顔だ。