でもね、敦志。



浅瀬で溺れてるって意味、
ちゃんと分かってる?


あんな足が簡単につく場所。
溺れる筈がないじゃない。




それなのに溺れてると言ったあたしは、敦志が思ってる以上に、敦志があたしに溺れてると言った以上に……あたしは敦志に溺れてるんだよ?







敦志、お願い。
この手を絶対離さないで。


繋いだ手をぎゅっと強く握る。







それに答えるように、あたしより更に強く敦志が手を握り返したのは、それから約1秒後のことだった――