西片 沙羅 (にしかた さら)。

それが私の、極普通の名前。

もうちょっと可愛い名前で生まれたかった。

なんて、今更どうしようもない事だけど。

死ぬ時には 『生まれ変わったら可愛い名前を下さい』 と、遺書に残しておこう。



「もう、やだあー!」

屋上で大きく叫ぶ。


授業をさぼるのはもう何回目になるんだろ…。

気付けば何回もさぼっていた。


この学校は中学と高校があって、そのまま上がれる学校なんだ。

それを理由に受験もしないから、いつも授業なんて真面目にうけない。