明日死ぬ

また私は自分が言いたい事を言いきる為に言葉をまくし立てた。

「それだけどゴメン、アイ。また理由は言えないんだけどヤマト君には返事は明日してってお願いしてあるの。

それとこの後ちょっと一人になりたいから先に帰るね。

じゃあね二人とも。今日は私に付き合ってくれてありがとう。

じゃ、バイバイ！」

唖然とする二人から逃げるように自転車にまたがって駆け出した。

「あ、ちょっとサナエ！」

アイの呼び止める声が聞こえたけど、聞こえないフリで走り続けた。

頭の中ではアイの立場からのナレーションが流れている。

『それがサナエを見た最期の姿だったんです…』

だいぶ走ってからまだ辛うじて見える橋の上を振り返ると、アイがヤマト君に詰め寄っている。

ヤマト君がアイに事情聴取と言うか尋問されているんだろう。

本当にゴメン二人とも。